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組織について

会長からのご挨拶

  • 会長 塚原 英敦

    成城大学経済学部 教授

 この度,日本金融・証券計量・工学学会(ジャフィー)の第14代会長に選任され,誠に光栄に思っています.ジャフィーの対象とすべき分野全体を見通せるような幅広い知識もないことが気掛かりではありますが,今後の研究交流,自己研鑽によって補いつつ,現在の日本の金融工学,そしてそれを包含する分野としての定量的ファイナンス(quantitative finance)という学界において,何か貢献したいと考えています.

定量的ファイナンスとは,金融市場と金融技術の定量的分析だと理解しているのですが,この学際的な学問領域を理解するためには,経済学,統計学,確率論,オペレーションズリサーチ(OR),数値解析,シミュレーション手法,確率制御と最適化などの極めて幅広い知識が必要となります.これらの分野の基礎を習得するだけでも非常に大変なことである上に,最近の流行として人工知能(AI)や機械学習の手法がファイナンスでも今や当たり前のように応用されつつあります.さらに,高頻度アルゴリズム取引や情報技術(IT)の金融技術への応用FinTechなどは,工学を名前に冠している学会としてぜひ時流に即して取り入れるべき話題であると考えますし,21世紀はデータの世紀と言われる通り,ビッグデータに基づくデータサイエンスの広がりにもついていかなくてはなりません.

 実社会においても,一昔前にはSFでしかなかったことが現実になろうとしている現在,これからの金融サービス業界,さらには社会全体における金融システムがどう変貌していくのか予測がつかない状況にあり,我々が分析対象として取り上げるべき領域の範囲は広がり続けています.しかし,この領域における日本人研究者の数は多いとは言えないのが現状です.この中で,より幅広い研究者・実務家の議論ができる場をジャフィーが提供して,日本国内におけるこの領域の学術研究と実務への応用を盛り上げ,自由闊達な研究交流を推進・促進していく努力をしていきたいと考えています.そして,ハードルが高い目標ではありますが,日本発のイノベーション,ブレイクスルーを創出するお手伝いができればと強く望んでいます.

 約2年間の在任期間には,具体的に様々な課題について,理事, 監事, 代議員の方々の御協力を得ながら, ジャフィー,そして日本の定量的ファイナンス分野の発展のために尽力したいと思っておりますので,皆様のご支援,ご協力をよろしくお願い申し上げます.

2019年9月20日
一般社団法人 日本金融・証券計量・工学学会
会長 塚原 英敦